サンジュスト大聖堂教会 CHIESA CATTEDRALE DI SAN GIUSTO MARTIRE
トリエステの守護聖人 聖ジュストに会いたい!
「トリエステの坂道」を上がりきった丘の上にサンジュスト大聖堂教会はあります。素朴な落ち着いた雰囲気の教会で、すぐ側にはサンジュスト城。お城と言っても要塞だったので、牢獄もあり、ちょっと暗い感じもしますが。
お城のテラスでワインを楽しみながら、トリエステの街並みと青い海とカルスト台地が一望できます。ローマ遺跡が残る広場では、
たまにハリネズミがお散歩をしています。めっちゃかわいいです。
このサンジュスト大聖堂教会 ホンマに見どころがいっぱいです!
今は立派な大きな教会の姿をしていますが、元を辿ると、1世紀ローマ時代。まだキリスト教が普及される以前に、今で言う小さな行政裁判所、その後5世紀には今で言う文化交流会館が建築され、今でも当時のモザイクが床に見る事ができます。その跡地にやっと9世紀に聖ジュストに捧げた礼拝堂が建てられ、11世紀には聖マリアアッスンタ教会が隣接して建てられ、その後、世相に合わせ1302年に、2つの建物をくっ付けて現在のサンジュスト大聖堂教会の形にたどり着いたのです。前にあった建築物を全部壊してしまわずに、柱や壁などまだ使えそうなところは、継ぎ足しての増築とリフォーム。現在ある教会の扉は、なんとローマ時代の誰かの墓石をリフォームしたものだと言われています。良いのか悪いのか、、、あと、鐘楼の立派な鐘はナポレオンの大砲を鉄材として造られたと言われています。。。ここまでリサイクル満載の教会も珍しいですよね!
教会内外を見て回ると、長い時を経ての増築とリフォームの歴史がよく分かります。真ん中の大きな回廊とメインとなっている青色がかったモザイクは、1932年のもので、比較的新しいものです。
ここで見て欲しいのは、元々は聖ジュストに捧げられた独立した1つの礼拝堂だったころの、12世紀の貝殻で作られたモザイクです!イエスキリストを中心に、左側がジュスト!で右側がセルヴォロです。入口から右側回廊のはじめに聖ジュストの石像もあります。鉛の重りを持たされた聖ジュストの石像、、、。
左側回廊のモザイクは、元々は聖マリアアッスンタ教会のモザイクで12世紀のものです。面白い点は、南イタリアはシチリアのCefalù チェファル大聖堂のモザイク画との類似点があると言うところです!チェファルに旅行に行ったら、絶対に見逃せませんね!
どうしてジュストは守護聖人として祀られる様になったのか?
303年ローマ帝国皇帝であったディオクレアヌス帝により、
大々的に行われたキリスト教徒への、恐ろしい迫害の歴史がありました。当時は、ローマ神話の神々への信仰が人々に信じられており、ローマ皇帝教皇主義に則り、皇帝崇拝に従わなかったキリスト教徒への大迫害が行われました。宗教改宗を強制され、聖書などの書物を焼かれ、教会施設などは破壊され、拘束され、刑務所に入れられ、最後には何千人ものキリスト教徒の命が奪われてしまったのです。キリスト教史上では「最後の大迫害」と呼ばれています。
トリエステも例外ではありませんでした。キリスト受難の記事によると、トリエステ政府により、宗教改宗を迫られたジュストは、なんの迷いも無く、キリスト教徒でいる事を選んだのです。ローマ兵によりジュストはロープで手足を縛られ、鉛の重りを付けられ、海沿いを歩かされ、船に乗せられ、深い海の底に投げ入れられたのです。その間ジュストは、終始穏やかな表情をみせ、修道士仲間にも挨拶もするほどの落ち着きだったそうです。翌日、ローマ軍兵に見つからぬように、ジュストの遺体は奇跡的に修道士仲間によって引き上げられ、火葬され海の近くの墓地に埋葬されました。
ここまで読んで
ジュストって、、、なんてかっこいいやつやねん!
ジュストに会いたい!
と思ってくださる心優しい方々、ジュストの遺骨の一部はサンジュスト大聖堂教会の左回廊の奥の角に、大切に祀られています。
トリエステの守護聖人 聖ジュストに会いにきてください。
ジュストのファンになってもうた、、、という心優しい方々。
11月2日、トリエステ守護聖人ジュストの日 はトリエステ市は祝日になります。イタリア全体で11月1日は、諸聖人の日で、11月2日は 死者の日という感じで、日本のお盆みたい期間です。
サンジュスト大聖堂教会でも11月初めの一週間は、聖ジュストに関して、特別に祀られるモノがあるのです。それは、普段は海の底に静かに眠る聖ジュストのブロンズ像が海水と共に引き上げられ、聖ジュストのモザイク画の下に祀られます。その姿は、、、なんとも言えないものです。
サンジュスト城・大聖堂には、トリエステ 電車駅ターミナル前のバス停から24番バスで楽々丘の上まで、こられます。歩いて来られる方は、結構な上り坂が続くので、歩きやすい靴で来てくださいね!あと、小さなお土産やさんとショップがあります。ちょっと怪しい古びたお土産が好きな方(私)は、駐車場の角にある小さなお土産屋さんがオススメです。