トリエステって、どこ?

日本ではまだ知られていないイタリアの町トリエステTRIESTEについてのブログです。

トリエステには精神病院がない!?

世界中のインフルエンザ🥵大嫌いな皆さん、こんにちは!
みなさん風邪引いてませんかー?
2月が一番寒いので気合いで乗り切りましょう🍯🍋

今日のテーマはトリエステが世界的モデルになっている事についてです。
なんじゃらほい?こんな小さなイタリアの北東の外れにある町が、、、?

それはズバリ!トリエステ地域精神保健サービスです!
なんだか、すごく硬い話題で難しいような雰囲気が漂うこの響き。
でも実はフタをあけてビックリ!本当に素晴らしい取り組みなんです。
長年トリエステに住んでいながら、通訳のお仕事を頂くまでは
本当にボンヤリとしか知らなかった分野だったのですが
今ではトリエステ地域精神保健サービスとなると
もっと分かりたいと思うようになりました。

分かりやすく表現すると、、、
精神的にハンディを持った人達が、生きがいをもって人生を送れる地域作りが始まった町なんです。

いろんな取り組みが、いろーんな形でされているので
ここに全て書ききれないし、上手く分かりやすく伝えたいのですが
わたし村上春樹じゃないし、文才がなさすぎて大変申し訳ないんやけど
続けます。さー行くよー!長いよー!

1971年 フランコ バザーリアという精神科医がトリエステ精神病院長
として就任する事から始まった、まさにバザーリア改革と言う名がピッタリ
の快進撃が繰り広げられたのです。

2019年の日本の精神病院では、どんな風に患者さんが扱われているのか?
あんまり誰も知らないですよね。。。あまり表沙汰にならない。
日本では今現在も手足をベッドに縛られて、人間扱いされていない患者さんが
沢山いると言うのが、悲しい現実です。
フランコ先生が就任した1971年と今の日本で大差はないんじゃないかな。

フランコ先生が、就任後初めにした事は
白衣を着ず🥼、糞尿まみれの部屋を洗い💩
ベッドに何年も縛られていた患者を解放し🐣
汚いモノ同然に扱われていた患者を、患者と呼ぶ事は辞め🌱
一人一人の名前で呼ぶ事から始め👭
暴れた時に両袖を結ばれてれてしまう入院患者専用パジャマを廃止し👕
入院と同時に取り上げられていた、彼らの大切な持ち物を返し👓💍👞
病名ごとの部屋の振り分けは止め💊
入院前に住んでいた住所が近くの者同士で部屋を振り分けた🏠👬🏡
何年もの間、閉ざされていた大きな重い鉄の門は解放されたのです!🚪🗝

ほとんどの患者さん達は、家族の元に帰らせて
どうしても身寄りの居ない人や病気の人は残れるようにして
こうして患者さん達は、一人間としての自分を取り戻していったのです。

トリエステの市民からは、もちろん反対意見宣☠️も出ました。
目つきのおかしい凶暴でクレイジーな人達は怖いし、アブナイ!と。。

そこで市民からの理解を得るために
フランコ先生はいろんなアイデアで勝負しました。
例えば、病院敷地内に新鮮野菜畑を作って、町よりもうんと安い値段設定で
敷地内に八百屋さんをオープン🍅!
その他、美容院💄や製本印刷📗、カフェ☕️、有名バンドを招待しての
音楽フェスティバル🎶、、、なんでもかんでもやりました!
もちろんそこで働いているのは、市民が怖がっていたクレイジーな仲間たち!
自分たちで働き、自分の稼ぎを得る事が出来るようになりました。
もちろん自立心や責任感、連帯感も芽生えます✨
このなんでもかんでもの形が、現在社会的協同組合B型の始まりなんですね。

フランコ先生の快進撃は、どこまでも続きます!!!
古い頭の先輩精神科医を敵に回しても、クレイジーな仲間たちが度々起こす
問題を解決しつつ、若い精神科医に大きな影響を与えながら
どんどん市民への理解を深め、広めていくのです。
「自由こそ治療だ!」「LA LIBERTÀ È TERAPEUTICA!」を合言葉に💓

フランコ先生とクレイジーな仲間たちが、力を合わせて作った
張りぼての大きな大きな青い馬の人形をひっさげて、町中をパレードで
回ったり、わざわざ飛行機をチャーターして仲間達に空飛ぶ体験も実現
させてあげたりと、奇想天外で心が温まるエピソードがてんこ盛りです。

トリエステから始まったこの精神病院廃止の動きは、イタリア全土に広がり
1978年、180号法(別名バザーリア法)として
法律として可決されたのです!

そして、精神科医フランコ バザーリアは1980年、56歳の若さにして
この世を去ったのです。。。あり得ない。。。。。。

1973年、世界保健機構WHOによりトリエステは
「脱施設化と地域精神保健ケアのパイロット地区」と指定されました。
そして現在に至るまで、様々な取り組みが行われています。
小さな町のトリエステで、フランコ先生が成し遂げた大きな改革。
世界中から視察や見学に来られる皆さんが、たくさんいらっしゃいます。
少しでもフランコ先生の心のこもったケアが、世界中に広まりますように💓

精神病院が町からなくなった後、クレイジーな仲間はどうしてるんだろう?
薬は?検診は?受け入れた家族大丈夫なんかしら?

トリエステでは、町をあげての体制が作り上げられています。
また、それについては次回に!

もっとフランコ先生について詳しく知りたい!!!と言う方にオススメ。
映画・邦題「むかしMattoの町があった」
伊題「C'era una volta la città dei matti...」
https://youtu.be/KFzVyTlK5Fc
情報リンク
自由こそ治療だ!――精神病院のない社会をめざして / 鈴木鉄忠×大内紀彦 | SYNODOS -シノドス-
イタリアはいかにして社会を精神病院から解放したのか / 『精神病院はいらない!――イタリア・バザーリア改革を達成させた愛弟子3人の証言』編著者、大熊一夫氏インタビュー | SYNODOS -シノドス-
http://freedom-is-therapeutic.net

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LA VERITÀ È REVOLUZIONALE! 真実は革命を起こす!
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マルコ カヴァッロ・馬のマルコのモニュメント
トリエステ サン ジョヴァンニ公園にて